2020年5月3日日曜日

興味のある回路 真空管によるSEPP回路

SEPP回路_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
 ペルケさんのHPではトランジスタ回路の出力段にSEPP回路が度々使用してあって
最初は何のことやら?だったが、何度も見ていたら見慣れた所為か、成程!そうか!と思えてきた。解説は以下のページが詳しい。

<入手可能部品で作る> ヘッドホン・バッファ Headphone Buffers
  http://www.op316.com/tubes/hpa/2019-hpb.htm
Mini Watters トランジスタ式ミニワッターPart2設計詳説
  http://www.op316.com/tubes/mw/mw-15v-p2-report.htm


真空管のSEPP回路_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
真空管のSEPP回路もあるので、そちらにも興味が出てきた。

前川有人さんという、トランスも制作されている方が以下の設計例を公開している。
6C19P パラレルSEPP DCアンプ
  http://www.za.ztv.ne.jp/kygbncjy/tubeamp/6c19sepp/6c19sepp.htm

5687や12B4aでも製作例があるので、参考にしたい。

前川さんのトランスの制作はこちらのHPにある。
  http://aritos-audio-lab.com


なお、前川さんは、現在はCSPPがお気に入りで、HPで以下の様に書かれています。
「数作作るうちにCSPPの持つポテンシャルの高さに魅入られ、いまや普通のダブルエンデッドプッシュプル (DEPP)アンプを作る気がしなくなってしまいました。

CSPPアンプについては、まだまだ認知度が低いので、解説ページを書いてCSPPファンを増やそうと考えているのですが、私の能力の低さから、 なかなか進みません。まだまだ工事中のページが多いですが、とりあえずこれまでに私が製作したアンプの紹介ページをまとめてみました。今後、少しづつ 内容を拡充してゆきたいと思います。」

SEPPが理解出来たら、MacintoshのCSPPも

現在の課題_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
今、一つDCサーボが分かっていない。
SEPPのニュートラル点(上下の真空管の間の点。別の言い方をすると、トランスの1次側)から、AC信号の帰還とともに、DC成分も初段に帰還されていることを意味するのだろうと思う。
トランジスタのOTL・OCLはトランス・コンデンサがないからこんな感じの帰還かなぐらいで、腑に落ちてはいない。

さらに、真空管アンプでは、1次側から戻しているところがDCサーボ?DC帰還になるのかなぁ。コンデンサ経由の部分AC帰還で 何やら高抵抗な部分がDC帰還なのだろうか? 設定方法は?

ほぼほぼ、ペルケさんのMiniWatterVersion5と回路構成が同じで、出力段のみ真空管になっていると思えば、比較して見ると分かりやすい。
ペルケさんのトランジスタMiniWatterも同じ様な帰還回路があるので、何度か読み返すとわかるかもしれない。

課題解決のヒント_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
DCバイアスキャンセルについてこちらに記事があった。
ペルケさんのHPAの記事から以下の図及び説明を引用させて頂いた。
 http://www.op316.com/tubes/hpa/2019-hpa.htm

どんなタイプのOPアンプでも差し替えができるように、バイアス電流の有無に関係なく回路が正常に動作をするように工夫してあります。そのために入力側はコンデンサを入れてDCを遮断し、OPアンプの±2つの入力にはともに同じ値(56kΩ)の抵抗をシリーズに入れてあります。バイアス電流が流れるタイプのOPアンプの場合でも、ほぼ同じ値の電圧降下が生じることでヘッドホン出力に現れるDCオフセットが生じにくくしてあります。」

前川さんのDCサーボ は 前出の「6C19P パラレルSEPP DCアンプ」から 以下の図を引用させて頂いた。
  http://www.za.ztv.ne.jp/kygbncjy/tubeamp/6c19sepp/6c19sepp.htm



 この回路は、自分がウイリアムソンアンプの欄で空走していた直結三段回路に近い様な気がするので、なんとなく嬉しい。(気がするだけで、勘違いです。)
 ぺるけさんの回路で、AC成分は1.5kΩの抵抗コンデンサ経由で帰還。
 DC成分は、56kΩの抵抗で帰還して居るのでしょうか?

 また、2段目は「ぺるけさんのトランジスタ・ミニワッターpart5」の2段とは異なり、差動の両側を使用して出力段に繋げている。初段の電圧の上下によって、2段差動の負荷抵抗に電圧変化が伝わるが、2段の負荷抵抗が下流側にはないように見える。下流側では定電流化されているので、増幅された電流は、出力段のSEPPのグリッド電圧として現れる様に仕組まれている。むしろ、SEPPのグリッドにある34kΩ(33+1kΩ)が負荷抵抗なんだろな。よく考えられた仕組みである。
 こんな回路のアンプを作ってみたいと思うこの頃です。

2段の差動増幅の現時点の解釈_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
簡単に2段を確認すると、
2段の定電流回路
 LED GRNの順方向電圧(ここでは1.9Vとする)   ………  1.9V
 2SD1446のBese=Emitter間電圧Vbe      ………  0.6V
 270Ω抵抗の両端の電圧差          ………  1.3V
 定電流値=1.3V÷270Ω=4.8mA          ………  4.8mA

2SA1822の周り
 LED GRNの順方向電圧(ここでは1.9Vとする)    ………  1.9V
 270Ω負荷抵抗の両端の電圧差  270Ω×(4.8mA-1mA) ………  1.0V
  なお、-1mAは6C19Pのグリッドの接地抵抗側から流れる電流を考慮して差し引いた。
 2SA1822のエミッタ電位   ………  -2.9V
 2SA1822のベース電位    ………  -3.6V
  初段の負荷抵抗による電圧降下
  (0.2kΩ+0.1kΩ+1.2kΩ)×4.8mA÷2=3.6V
  ベース電位が少し低いが、VR1を調整すればVbe=-0.6Vを達成できると思う。
  ΔVR1=±0.2kΩ×4.8mA÷2=±0.48V
     
2SA1822の周りの平衡状態は上の様になる。

ここで、初段の電圧の変化は、
 2SA1822のベース電位 に伝わり
 2SA1822のエミッタ電位 の変化になる。
 初段の1Vの電圧の変化は、1.0V÷270Ω=3.7mA   ………  3.7mA
 2SA1822のエミッタ電流が3.7mA変化することになる。
 2SA1822の電流は、 3.7mAの増となるが、
 2SD1446定電流回路ではそれを受け付けないので、

6C19Pのグリッド側に回る。
グリッドの接地抵抗は(1kΩ+33kΩ)=34kΩ    ………  34kΩ
 グリッドの電圧は=34kΩ×3.7mA=125.8V    ………  125.8V



2段の増幅率は、  ………  125.8倍 
 2SA1822のエミッタ抵抗270Ωと6C19Pのグリッドの接地抵抗34kΩ
  から 34kΩ÷270Ω= 125.8倍 となる様だ。

負荷抵抗とグリッドの接地抵抗をバランスよく選定すると良い。


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